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再度エベレストトレッキング(2012・1015~1113)3 [コンマ・ラからエベレストへ]

モンジョ~ナムチェバザール(200121018.19)

10月18日(金)モンジョへ(2835M)

快晴の朝を迎えた。6時にはすでにカトマンドゥからの飛行機の爆音が山に木霊している。今日は順調に飛んでいるようだ。ルクラは2840Mだ。冷気が迫る朝の空気を吸いながら街並みを散策をする。進行方向にはクンビラのピークが望める。

一緒している日本人のグループは一気にナムチェバザールまで行く予定と聞いた。だから早朝出発の手はずだったが、また食堂でお会いすることになった。「あれぇ!どうされたのですか」と尋ねると、昨日約束したポーターが来ないので、再度他のポーターの手配をしているとのこと。そんなこともあるのかと同情もしたが、ご本人達は憤ることもなくそんなことは想定内という対応に経験の違いを実感した。
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今回はゾーキョ(一頭でポーター二人分)に重い荷物を託す。早朝から荷物の割り振りでダワさん達は慌ただしく対応している。
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全ての準備が終わって7時50分に出発だ。ルクラの街を出る。モンジョはルクラとほとんど同じレベルなので今日のトレッキングは足慣らしには丁度いい。とは云ってもアップダウンの繰り返しであることは云うまでもない。
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8時50分ゾングリカルカを通過。9時5分チョプルング(2660M)のヒルトップビューロッジで一息入れる。左手にはコンデレンジの山が連なり、雪を頂いたピークもある。クンビラが目指す目標であるかのように正面に鎮座している。当然視界には入らないがその手前にナムチェバザールの大集落がある。

ここまでは下りながら時々水平トレイルを歩くので負荷はない。という事は帰路では体力消耗しての最後の登りの場面になるのできっと辛い行程になるだろう。行き違った多くのトレッカーが疲労困憊している姿を見ると自分の帰路での疲労感が実感として伝わってくる。

9時50分吊り橋を渡るとタドコシ(2580M)だ。そこからはクスムカンダ(6370M)が望める。10時半ガート(2592M)に着く。ここでランチとなる。すでに先行していたコックのビームさんは食事を準備していた。ガートはナムチェまでで一番大きな集落だろう。

今日の献立にはびっくりした。茄子の味噌煮丼、乾麺うどん、トマトとウインナーを揚げたもの、人参、大根の酢の物という豪華なメニューだった。しかも箸は日本の塗り箸、お椀、ご飯じゃ椀もプラスチック製。今までの金属製のプレート、割り箸かスプーンと比べたら大違い。しかもうどんには生姜と大根おろし付きだったのにはさらにびっくりした。これから毎日こんなメニューを期待できるはずはないが、驚きだった。

12時20分ゆっくりしたランチを終えて出発だ。空は雲に覆われたり、雲間から太陽が覗いたりの不安定な天気だ。
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見事なチョルテンとそれと並んでマニウオールがある。この一帯圧倒的にシェルパ族が多いエリアだから、なにもかもがラマ教の世界だ。

1時にはパクディンに着く。朝の飛行機で着いて通常ならここが最初の宿泊地になる。今回もその段取りだったが、ルクラで一泊したので先に進んで国立公園に入る手前にあるモンジョになった。実際はパクディンで泊まろうが、モンジョにしようがどちらでも結局はナムチェで泊まるには違いはない。ただ、ジョサレからナムチェまでの急登を考えると少しでも前進しておいた方が楽だと云うこと。集落を通過してドゥードゥ・コシに掛かる吊り橋を渡って対岸にあるロッジで一休みする。

2時にはゾンフテ(2730M)に着く。ガートからは徐々に登りが続く。すぐにトクトク(2760M)の集落に入る。ふと左手に目をやると美しい滝が何段にもなって落ちていた。思わずカメラを向ける。不思議なことにこの滝の前を何度も通っていたのに印象が薄かった。トレイルから離れて滝壺にも近づいてみた。
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2時50分ベンカールゲストハウス(2630M)を通過する。ウムラウト付きの表示にドイツ人が絡んでいることが理解出来る。3時15分ドゥードゥ・コシの対岸へ渡る。その先にはテンガの集落まで下りてコーラを渡り急登を終えると3時25分チョモワ(2760M)に着く。モンジョコーラを渡り尾根越えをするともうすぐにモンジョ(2835M)だ。3時50分トレイルの右にあるキャンプサイトにすでにテントが張られていた。すでに多くのトレッカーが幕営して寛いでいた。
とんかつと青菜の炒め物、味噌汁という夕ご飯だった。このような上等な食事は初めてだ。よほどダワさんが気を使って日本人向けの料理を得意とするコックを探してくれたのだろう。

10月19日(土)ナムチェバザール(3440M)へ

7時15分朝ご飯を終える。霜が降りていた。今年は冬の到来が早そうだとダワさんは云っていた。右手にはこのトレイルの象徴的ピークのタムセルク(6618M)が見事に双児のピークを天に向けて突き立っている。
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7時40分出発。正面にはクンビラが屹立している。すぐにジョサレに着く。ここがサガルマータ国立公園に入るチェックポイントだ。ダワさんが一切の手続きをしてくれる。入山許可証を提示すると、問題なく先に進める。ゲートをくぐると一気の下りになっている。コーラに架けられた吊り橋を渡りしばらくは河原沿いの登りになる。8時45分上を見上げるとナムチェへの急登の始まりになる吊り橋が望める。その吊り橋はトレッカー同志なら行き違いが出来るのだが、しばしばゾーキョが移動する時は道を譲らなければならない。ゾーキョは基本的には穏やかな性格だが、突然角を突き出すこともあるそうだ。いつも行き違うときにはダワさんから注意を受ける。時にはストックで近づかないように警告しなければならない。
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ダジャ・ドバン(2836M)の吊り橋を9時にタイミングを見計らって渡る。眼下を流れているのはクーンブ氷河、ンコズンバ氷河を源流とするドゥードゥ・コシだ。エベレストを代表する川だ。吊り橋の上流に新しい吊り橋の基礎工事が始まっていた。それが出来上がるとアップダウンが少なくなり、快適になりそうだ。吊り橋を渡ると急な下り階段になる。人間でも右に左に足場を確保するのに気を使うのにゾーキョがよく足場を間違わずに行き来するのには感心する。
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いよいよここからが急登の始まり、600Mの高度を稼ぐトレイルだ。急登なのでポーターのためにチョータラが用意されている。最初のチョータラを過ぎてしばらく行くと木々の合間からエベレストとローチェが遠望できた。今日は晴れ渡る天気のお陰だ。思い起こすと2003年初めてヒマラヤ・エベレストを拝みたくて来た際にはまったく見ることが出来ず残念無念だったことが思い出された。運不運と云うことがあるのは山では避けられないことだ。
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(左手尾根奥に見えるのがエベレスト・右手にローチェ)
幸運を背負いながら毎日が過ぎてくれることを祈る。9時50分中腹にあるチョータラで一息いれる。そこではミカンやリンゴが売られていた。ダワさんがミカンを買って渡してくれる。登りで汗をかき、筋肉にも多少の疲労があるときには柑橘類は最高の癒しになる。ここからもエベレストが望めた。

出店があると云うことはナムチェがそう遠くないことを意味する。尾根に向って九十九折のトレイルが徐々に傾斜をゆるめ右手に尾根が望めるようになる。いよいよ急登も終わりだと云うこと。そしてナムチェも近いという事だ。10時40分左手にチェックポイントがあり、ダワさんが手続きをする。ヒマラヤスギが繁茂しているその木の間からナムチェバザールの家並みが見えた。ゲートを潜っていよいよナムチェの賑やかな街並みに入る。
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街中にある目指したコンデロッジに付設するキャンプサイトはすでに先客でいっぱいだった。結局そこから急な坂を登ってナムチェの一番上部(3500M)にあるキャンプサイトで幕営になる。ここは人数も少なく閑静な場所なので満足だが、いかんせん場所柄強風には悩まされた。

明日はクムジュン(3780M)に登って高度順応の調整をする。まずはのんびりしたルクラからナムチェまでのトレッキングだった。
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ナカチャン

待望のコンマ・ラ経由カラパタールのトレッキングレポートが始まりましたね。来年1月に、同じ道を辿るかと思うと、嬉しくなります。
by ナカチャン (2013-01-17 11:56) 

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