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ヤンバルクイナ [未知の世界]

沖縄本島最北端にある国頭村を訪ねた。安田(アダ)にあるホテルに泊まり、ヤンバルクイナがよく出没するという楚州(ソス)を目指す。ヤンバルクイナは日没前と日の出後に餌を求めて国道沿いに出没すると云われている。飛翔できない鳥なのでしばしば自動車にはねられる事故が多発している。国道を走っていると随所に警告表示が立っている。

ヤンバルクイナは1980年頃にその存在が確認された珍鳥。その後絶滅危惧種として希少野生動植物種の指定を受けて保護活動が行われている。滅多に見られない鳥だろうとホテルの支配人に確認する。意に反して当地では日常的に目にする多少迷惑な鳥として扱われているらしい。支配人から得た情報を頼りに車を走らせる。

沖縄県は日没が本州より遅いので(当然日の出も遅い)19時前後に車を出して、しばしば出没していると噂されている風力発電所を目指す。事故を起こさないようにそろそろと前進だ。車を止めて様子をうかがうが声はすれども姿は見えず。ゆっくり走っているうちに楚州を越えて赤座まで来てしまった。出会いが無かったので途中にあった楚州の共同売店に寄って清涼飲料を求めながら、レジのおばさんに改めてどの辺が出会いのチャンスがあるのか尋ねた。しかし返ってきた答えはどこと云うことは言えないよ、きっと出会うはずだからという返事だった。

地元では庭先に出没し蒔いた種を食い荒らす害鳥扱いのようだ。Uターンをして宿を目指しながら徐行運転。脇道から鳴き声が聞こえるので分け入って車を止める。一瞬泣き止んだが、すぐに数羽の掛け合いで鳴き声は確認できた。そちらに目をこらすけど歯朶のなかだろう影も形も見えない。

残念ながら今晩は諦め気分。夕飯をしなければならないので宿に戻ることにする。

翌朝5時半起きで再度挑戦。未だ暗く水平線がかすかに白んでいた。また楚州を目指して徐行運転。対向車線を私と同じ目的なのだろう徐行でこちらに向かってくる車があった。出没頻度の高いと云われた風力発電所に近づいたとき、2羽の黒い物が小走りに国道を過ぎっていった。目を凝らして見ると間違いなくヤンバルクイナだ。あっという間に道路際の藪に姿をくらましてしまった。

その場でエンジンを止めて再度登場するのを待ち構えたのだが、なかなか現れない。しびれを切らして再び徐行運転で楚州の集落に向かう。楚州の集落を二分するように川があって、橋が架かっている。その橋を渡ろうとしたその矢先に2羽のヤンバルクイナが警戒もなく現れた。

直ちにエンジンを止めて慌てて望遠レンズを付けたカメラを構える。車の前を行き来しながら道路に落ちている餌だろうか啄んでいる。記念としての写真撮影には成功だ。
ヤンバルクイナ3.jpg
(クリックすると拡大します)
何度か国頭村を通ってヤンバルクイナとの出会いを期待したが、一瞬通過する程度では出会えるはずはない。今回当地で泊まることで長年の夢が実現することとなった。
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ナカチャン

ネパールTrの件では、お世話になっています。
今年6月25~30日、自転車ツーリングのため沖縄に行っていました。29日、辺戸岬で、ヤンバルクイナの標識を見て、勘違いかと思いましたが、本当だったのですね。私はクイナに会うことはできませんでしたが、素敵な夕焼けを見ました。
羅針盤さんはクイナに会えて、良かったですね。
さようなら
by ナカチャン (2012-08-14 09:42) 

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