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ゴンドゴロ・ラからK2⑪ ダルザンパへ戻る(201008009) [ゴンドゴロ・ラからK2へ]

下山するという安堵感と無念さを抱えながら今日はダルザンパのキャンプを目指す。計画断念で予定はすっかり余裕が出来たので、単に下山するか、マッシャーブルムBC経由で下山するのか昨晩話し合ったが、荒れたトレイルの状況がつかめないので、下の状況が分かってから判断する事になる。
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氷河湖を見ながら8時半に出発する。厚い雲に覆われて今にも雨が降りそうな気配だ。9時半にはキュスパングのキャンプサイトに着く。10人近い白人のトレッカーが賑やかに右往左往している。彼らはスペイン人たちだ。彼らの目的はハンググライダーでゴンドゴロ・ラを越えてバルトロ氷河を下ることらしい。それはそれでチャレンジではあるが、何もこのような自然豊かな奥深くでエンジンの轟音を谷間にこだますことは如何なことだろう、と言うのが正直な気持ちだ。
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別のパーティーのポーターから暖かいコーヒーを差し出される。本当に有り難う。こんな時の温かい飲み物は最高だ。一息入れているとしとしと雨が降り始め、そのうちに雨音が激しくなる。慌てて雨具の準備をして出発だ。
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定かな目印もない氷河を黙々とガイドに従って先に進める。雨が降るだけでなく、低く雲が垂れ込めて足元以外に確認するものがない。11時40分氷河からモレーンの上に移り、一息入れる。

再び氷河に移る。順調に確実に下山していると信じていたところ、ガイドのアミンさんが不安そうな顔でここで待っていて欲しい、と言い出した。何事が起きたのか、と日本語ガイドのファイサルさんに尋ねると、ルートを間違えたらしいとのこと。そう言えば往路でもこんなことがあった。その時は視界が利いていて、ポーター達が登っているのを確認出来て事なきを得た。ここにいたって山岳ガイドに対する信頼が少しずつ壊れ始めている自分に気がついた。
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アミンさんが戻ってきてファイサルさんやカリームとなにやら話をしている。明らかに見通しが立っていないと言うことだ。再び彼らは右に左に手分けしてルート探しに散っていった。視界から彼らは消えて、しばらく私一人で氷河の上で待機することになる。この天気で、しかも荷物は全てポーターが持って下山している、と言う状況ではここでのビバークがどんな状況かが想像される。そう思うと、さすがに心中穏やかではない。

目の前にある川の向こう側からアミンさんがこちらに来るようにと声が掛かった。でも目の前の川を渡るって手がかりもなく、かなりの広さがある。どこからそちらに渡るのか、と大声で叫ぶ。上部に登れば飛び石があって徒渉出来るよ、と答えが返ってきた。

まずは一安心。氷河上を歩いていた時、右から左から落石の轟音が響いてこだましていた。雨が続いて地盤がゆるんでいるからだろう。しばらくして氷河の左岸に移動し、岩を縫って先に進む。左手にいくつかの沢が入り込んでいるが、そのたびに厳しい急降下、そして徒渉、急登を繰り返す。しかも、さっき聞いた落石の爪痕が残っているトレイルを歩くことにもなる。さすがにひやひやの連続。ガイドからは危険地帯と言われても防ぎようがない。幸い足場の悪い危険地帯を何事もなく通過してモレーン上に移る。
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ここまで来ればダルザンパは近い。ダルザンパのキャンプサイトは真ん中を尾根が走っていて分断されているが、往路と同じ右側の谷間にあるサイトにすでにテントが張られていた。2時半に到着。
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