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ゴンドゴロ・ラからK2④ スカルドへ(20100730~0801) [ゴンドゴロ・ラからK2へ]

朝方の天候が気になったが、幸い高曇りで少なくともイスラマバードにはフライトキャンセルの理由はなさそう。10時半発のスカルド行きは順調にチェックインが始まる。しかし定刻になっても搭乗の気配もなく不安が過ぎった。
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そんな時間が経たないうちに突然キャンセルという放送に期待を裏切られた。スカルド行きはキャンセル率が非常に高い路線であると聞いていたのでやっぱりという気持ちだったが、現実になるとは。でも明日には飛んでくれるのではとの一縷の望みに託してホテルに戻る。

午後は以前にも行ったたことのあるタキシーラ遺跡を尋ねた。アレキサンダー大王侵攻の遺跡、ガンダーラ芸術などなど。日本の仏像の原点でもあるので、博物館や遺跡巡りは何度見ても圧倒される。
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政情不安が絶えないパキスタンで、ムシャラフ前大統領人気が底流では根強く残っているようだ。その背景にはスタグフレーションに見舞われているパキスタンだからやむを得ないのかもしれない。しかも国家予算の過半を国防費につぎ込んでいる状態では国民が疲弊するのは当然至極と言うことだろう。1ドルが80台ルピーだから、1ルピーがほぼ1円になる。確かに2年前の換算に比べると強烈な円高になっていた。現体制への不満のはけ口なのかもしれないが、訴追されている事件の時効待ちで現在イギリスに亡命しているムシャラフが、近いうちに復帰するとの待望論まで囁かれていた。

今日のホテルはアンバシーホテルに変更。以前にも使った事のあるホテル。イスラマバードの高級住宅街の一角にある閑静なプチ・ホテルだ。

このホテルのある一角は現大統領の側近が住んでいると言うことで厳重な警戒体勢になっていた。鉄条網を螺旋状にして道路を封鎖している。その先にホテルがある。ホテルに戻ると二人組の日本人トレッカーが来ていた。彼らはマッシャーブルムBCのトレッキングに行くそうだ。夕方には彼らがバザールに行きたいと云うことになって再度出かける。
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バザールは昨日とは違って天気が回復していたので、多くの人々で賑わっていた。行き違う人からチャイニーズか、と声を掛けられる。パキスタンは親中国で太い交流関係を結んでいるので、多数の中国人が入国しビジネスをしている。彼らにはチャイニーズの方が馴染んでいるからだだろう。いや、ジャパニーズと答えると急に親しみを持った表情に変わった。ガイドに言わせれば確かに中国には巨額の援助をもらっているけど、ずるい、騙す、made in chinaは偽物、壊れやすい、と言うイメージが定着しているようだ。それに対し、made in japanは高級品、日本人は誠実で礼儀正しい、と言う評判になっている。そんなイメージは昔の日本だよ、と言いたいぐらいで赤面しそうになった。

夕ご飯はパキスタン料理に舌鼓。ジャンギラという有名な店だそうだ。

悪いことがあると続くものだ。以前は快適に泊まれたホテルが酷いことになっていた。風呂に入ろうにも何度文句を言ってもお湯が出ない、朝飯はトーストだけ、あまりにも酷い変化にガイドに文句を言った。彼からの答えはコックも従業員3人を残して辞めてしまったとか。あまりに酷さに怒り心頭だ。

翌日31日再び昨日と同様に飛行場に向かい、チェックインも済ませて待機している。今日は2人の日本人も一緒なので時間の経つのはそれほど苦にならないが、キャンセルのリスクは相変わらずだ。何度かのデレイの放送のあと、11時過ぎにキャンセルの一言で今日もホテルに逆戻り。持て余しそうな午後であったが、ホテルでTVを見たり、洗濯をしたり、昼寝をしたりしているうちにあっという間に夕方となった。今晩は再びカブールでアフガニスタン料理。シシカカブーやマントゥー(餃子に類似)を食べる。

8月1日(日)今日こそは飛んでもらわないと予定の変更が不可避となる。3度目の正直と願を掛けて飛行場に向かう。搭乗手続きはいつものように順調に進むが、今日もデレイになって不安が一杯だ。1時間半遅れの12時に出発と言うことでひとまず安堵した。今日は搭乗出来たので安心と思っていた矢先に滑走路でエンジンを吹かす様子がない。だんだん機内は蒸し暑くなるし、大声を上げて騒ぎ出す乗客も出て不穏な空気にキャビンは包まれた。しばらくすると現地語でなにやら放送があって、そのままなんと飛行機は逆戻りをし始めたのだ。後で分かったことはメカトラブルで部品交換が必要になったと言うことだった。1時間は経っただろうか。再び出発体勢に。今度は無事に離陸してくれた。

実は飛行機は飛んだが、肝心の日本語ガイドが同乗出来なかった。その理由は現地での段取りが悪く、彼のチケットが空席待ちだったようだ。チェックインの際に、乗れない場合を想定してスカルドでの手順を伝えられた。トレッキングの現地での手配を委されているイザークさんが飛行場で待機しているはずなので、彼に必要書類と現地通貨を渡すようにとのことだった。
少なくとも現地での山岳ガイドは英語が話せるとのことだったので、最悪事態は避けられるものの、事前に日本語ガイドを手配することを条件に段取りを取ったにしてはあまりの不手際に憤りさえ感じた。

スカルドは7000M級の山岳の渓谷を縫って飛行していく。難しい飛行ルートであることは素人でも推測がつく。機体はボーイング737だからかなりの高度から、インダス川の中州とはいえ狭い空間を円を描いて高度を下げてラウンディングするサーカスだ。。今日は快晴とは言えなかったが、無事にスカルドの飛行場に降り立った。中州の中央なのでまるで砂漠のまっただ中という環境で、そこからバスでチェックアウトするのビルに移動する。

前回スカルド入りには陸路で2日がかりで辿り着いた事を思うとあっという間の1時間だった。でも、もし前回の陸路での経験がなければ一度は大変だけど陸路での移動の価値はある。なにごおとでも楽をして得られたものの価値は下がってしまうことを忘れてはならない。
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飛行場の事務所は小さな建物、乗客でごった返すことになる。カートの取り合いで一戦交えながらようやくの思いでカートを手にしれて混雑する手続きを終えて外に出るとイザークさんらしき人が看板を掲げて待っていた。一見怖そうなサングラスの厳つい男だった。他の日本人2人と一緒におんぼろのカローラで市内に向かう。ホテルは以前に泊まったモテル・カンコリアだ。眼下にはインダスの川面が広がって美しい。
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いよいよ明日から山岳へ第一歩を進める。楽しみだ。
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