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シッキムからカンチェンジュンガを目指す⑦ [カンチェンジュンガ2]

タンシンからラムニそしてゴチェラへ(→復路コクチュンへ) (5月6日,7日)

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ラムニまではあっという間の行程。草地を縫って登っていく。左手にはカンチェンジュンガからのレンジに展開するカブール、ラトンなどが見えるし、前方にはパンリンが右手にはテンジンガが視界に入る。多くのガイドブックではラムニの先にあるサミティ・レイクがキャンプサイトになっているが、現在では環境保護のためにサミティ・レイクでのキャンプが禁止になっていて、手前のラムニがキャンプ地だ。2時間でラムニ(4100M)のテント・サイトに到着する。
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午後はのんびりと休養日になる。時間もたっぷりあるのでマーラーの復活でも聞こうか。

夕方になってテンジから「ヤクがいますよ」と声がかかる。この高度ならヤクは普通にいる話だが、当地のヤクは野生だというのだ。理由を尋ねるとこの一帯では放牧等の行為が自然破壊と言うことで禁止されていて、野生しか存在しえないとのことだ。インドでは自然保護に対しきわめて誠実に対応していることが分かる。隣国のネパールやパキスタンとは大違いだ。

明日は早朝にゴチェラを目指すので早早に就寝する。

真っ暗な闇のなか、ヘッドライトをつけて軽食と飲料だけを入れて、防寒着を着て4時には出発する。平坦なトレイルからガレ場に移り、傾斜も徐々にきつくなる。身体も温まり、防寒着を脱ぎ、長袖の上着になる。あっという間にサミティ・レイクの湖畔に着く。まだ暗闇なので水の存在しか見えない。
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すでに稜線を越して朝日が差し込んできたので、ヘッドライトは必要なくなる。気がつけば例の犬も後をついて登ってきている。ガレ場では犬の歩幅では登るのに苦労だろうと想像するのだが、ヒョイヒョイと身軽に登る。羨ましいなぁ、私は息絶え絶えなのに。それにしても何で我々のペースと全く同一に移動するのだろうか。
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途中で一足先に登頂を目指したインド人(二日前に下の方で出会った3人)が行き違った。満足そうな顔に素晴らしい景観を満喫してきたのが分かる。
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ゴチェラには3つのピークがある。最初のピークに5時半到着。雲一つ無い快晴で、左前方にはカンチェンジュンが迫ってくる。ここでしっかりカメラに記録しておこう。この先2つのピークがあるが、ガイドによれば景観的には全く変わらないのでここで十分という。体調もあるのでその助言を受け入れて下山することになった。
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行きは真っ暗闇の中を進んだのでサミティレイクを薄ぼんやりと確認しただけだったが、帰路ではコバルトブルーの水をたたえた湖をはっきり確認できた。湖畔を歩いていると昨夕テント場に現れただろうヤクが湖岸の反対斜面で草を食んでいた。
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相変わらず俄仲間になった犬が前後を抜きつ抜かれつで付いてくる。後ろを振り返るとすでにカンチェンジュンガとそのレンジは雲間に隠れていた。一瞬の違いが大げさだけど運命を分けてしまう。
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テントでは朝ご飯が用意されていたが口に入らない。日本から持ってきたジェリーとスポーツドリンクで栄養補給する。9時前に出発してコクチュンに向かう。なだらかな下りで緊張することもない。後ろを振り返ればカンチェンジュンガのピークが再び覗いていた。
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10時10分タンシンに着く。木々の背丈も高くなり、沢の水量も多くなってきた。11時20分にはコクチュンに。今晩はこの小屋で一泊になる。だだっ広い小屋の奥にシートを敷き、横になる。小屋の反対側の部屋ではコック達が調理に忙しくしていて、バーナーのけたたましい吹き出す音とガス特有の臭いがこちらまで漂ってくる。不快と言えば不快だが、山での息吹を感じる一こまでそれはそれで心地よいものもある。
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午後に入ると三々五々何組かのトレッカーが小屋に入ってきて、微睡みかけた睡眠を中断されてしまう。こちらは一人、私以外のトレッカーは複数なので、当然のことではあるが興奮もしているのだろう、なにやら大声を上げて話している。

私はウオークマンで耳を塞ぎ音楽を楽しもう。こんなゆっくりクラシックを聴けるのは日常生活では味わえない贅沢だ。
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小屋の周りにはトレッカーの運搬を担っているゾキョが数頭単位で繋がれている。そしてゾキョ使いが藁を与えていた。周りはシャクナゲの群生であちこちに見事な花を咲かせている。川面に近づいてみたら小さな紫色の花が群生していた。
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