SSブログ

シッキムからカンチェンジュンガを目指す④ [カンチェンジュンガ2]

ユクサムからチョカへ (5月2日)

R0012700_20090502_100027_.jpg

夜を通じて犬の争うけたたましい声に恨みもあったし、遠雷と雨に不安が襲ってきたが、6時には起床。何とか高曇りの天気の朝を迎えた。ここでは食事がとれないので、昨晩行ったバッティーで朝食をする。ホテルに戻ると庭先が騒然となっていた。3頭のゴーキョがつながれているし、ブルーのシート上に一面トレッキングに持って行く食料、燃料そしてテントなどが並べられている。それをゾーキョの背中に設えられた鞍の上に載せていく。
_DSC2067_20090502_105916_a.jpg
ガントクからユクサムまで案内してきたガイド達はここで現地のガイドと交代する。23歳の青年が山岳ガイドだ。我々のキャラバンはコックとキッチンボーイの2人、ゾーキョ使いだ。私を入れて総計7人そして3頭のゴーキョだ。
R0012702_20090502_102733_2.jpg
ユクサムの集落の中心地を通り過ぎ、右手にポカリを見ながら、先に進む。左手にあるチェックポストで入山手続きをする。そこからは細い村道になり、ようやくトレッキングの気分になる。耕作地が続き、人家が点在している。日本の農村風景とそう違わない景色だ。

さらにちょっと登ったところで再びチェックポストがあり確認を受ける。ガイドの手違いで若干トラブったが、問題なくいよいよ集落を離れてトレッキングムードにシフトする。郭公や鶯、そして蝉の声、日本の初夏そのものだ。鶯のさえずりには方言があるのだろうか、日本とは違ったメロディーにちょっと戸惑ったが。
R0012706_20090502_112001_a.jpg
集落から一気の登りを詰めると、左手に深い渓谷が視界に入る。朝から垂れ込めていた雲は期待を裏切って雨に変わる。急遽オーバージャケットとオーバーズボンを出して身につける。それほど激しい雨ではないので歩行には支障はないが、身体はジットリと汗ばんできた。吊り橋を二つ越えてからだろうか、気がつくと雨も上がったので雨具を脱ぐ。
R0012712_20090502_161653_a.jpg
12時雨をしのげるところで昼ご飯。汗が体温を奪うのでちょっと肌寒い。カルカッタから来たという典型的なインド人3人がまるで街を歩く恰好でびしょ濡れになっていたが、何もないかのようにしているのにはびっくりした。

天気が悪いので景色を楽しむという余裕もなくひたすら足を進める。日本の山岳風景と何も違わない。唯一の違いはテンジが手に摘んでヒルがいたよ、と言われたことぐらいだろうか。まだ血を吸う前だったので数センチだったけど、ヒマラヤのヒルは話題になる話。これからの雨期には避けて通れない吸血鬼だ。

再び雨が降り出して仕舞った雨具を着る。3時バッキムに着く。ここには政府が作った国立公園の管理棟があり、場合によっては宿泊も可能だそうだ。雨宿りの出来るところで一休み。ここでも何パーティーかのトレッキンググループが休んでいた。グループは違ってもガイド達は地元同志の仲間。結局は他のパーティーのガイドからマサラティーの差し入れをもらって一息入れる。
_DSC1686_20090502_212800_a.jpg
視界の聞く一瞬があった。前方にはパンリン(6708M)が右手にはアルルンチュク(4835M)の稜線が見える。

前方に開けた放牧場が視界に入る。そこがチョカ(3000M)だ。十軒程度の集落で、テントサイトもあったが、天候も気掛かりなので、右手にあるロッジに入る。体中が濡れていたのでテントよりは助かる。思いっきり身体を伸ばして濡れた下着を新しいのに着替えてさっぱりした。

インド政府は自然環境保護の観点から当地の住民を将来はトレイルから離れたところに移住させるそうだ。確かにトレイル中ゴミはほとんど無く、環境への配慮はネパールやパキスタンとは明らかに違う。

強風と雷、そして雨に明日からの不安を感じながらもうとうとしていたら、テンジから天気がよくなったですよ、と声をかけられる。外に出てみると小屋の前方は谷沿いに開け遠くの稜線上にわずかに確認できる明かりがぼんやりと見える。ペリンという街だそうだ。そこはユクサムから車で数時間もかかるところだ。ここでは場所によるが携帯が使えるようで、携帯の呼び出し音が聞こえてきた。
_DSC2071_20090502_210219_a.jpg
夜遅くには月明かりがあったので見事というわけにはいかないが、満天の星になっていた。明日の天気はどうなるだろう、という不安が一時は解消したのだが。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:旅行

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。