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バルトロ氷河とK2⑧ パイユ~コブルジェ [バルトロ氷河からK2へ]

7月30日(水) パイユ~コブルジェ(4000m)

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急遽計画変更もあったので出発の段取りに手間取り、まぁ半日行程を一日で登ればいい事もあり、ゆっくりの出発になった。シェールは残るポーターへの指示もあるので、後から来ることになった。私とミールさんと一人のポーターと一緒に9時に出発する。ミールさんとのコミュニケーションが心配だったが、山の名前とか確認できれば十分だ。彼は片言の英単語が分かるので何とかなるだろう。
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眼下にブラルドゥ川を見ながら水平のトレイルを進む。左手から流れてくるいくつもの川が深い溝を作って合流している。そのたびに急降下しては丸太橋を渡り、対岸を急登する、それを何回か繰り返す。前方にはいよいよバルトロ氷河の末端が視界に入ってくる。川を覆い被さるようにモレーンが突きだしている。ブラルドゥ川はモレーンの右側を迂回するように流れている。足下は気がついたらいつの間にか砂地から岩場に変わっていた。大きな岩が無秩序に転がっている。いよいよバルトロ氷河の末端を登り始めたのだ。

9時半、左手にパイユ・ピークが見える。ミールさんのパッキングがバランスを失ったのでし直す。終わると彼はコップを持って水面まで下りて水筒代わりにしているコーラのペット・ボトルを氷河に差し込んで白濁した水を満たしていた。白濁した水はしばらく立つと砂が沈殿するほどなのに、煮沸もせずに美味しそうに飲んでいる。冷たくて美味しいとは言われても、いくら喉が渇いても飲む気にはなれない。そうこうしていると後を追ってきたシェールが追いついた。
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11時バルトロ氷河のモレーンの上で小休止。ここは氷河のトラバースを始めて中間地点を過ぎたところだ。眼下にブラルドゥ川が囂々と音を立てて白濁した水が流れている。この先では氷河の下に川は潜ってしまうのでおさらば。アップダウンを繰り返ししながら氷河の対岸を目指す。氷河と言ってもほとんどが瓦礫と岩で覆われているので実感はない。実感できるのは、氷がむき出しになって熱射を浴びてポタポタと雫を落としていたり、溶けた水を集めて氷河湖になっているのを見た時だけだ。
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12時にはバルトロの左岸に移動し、一休み。今度は右手に迫っている山腹に沿って上を目指す。左手にはトランゴ・ピークとそのレンジが独特の形で存在感を示している。右手にはリリゴ・ピークが聳え立っている。岩場の中に白砂が広がった場所もある。そこに一輪だけ美しい花が咲いていた。左手後方にはパイユ・ピークが見える。
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右手から大きな氷河が合流している。リリゴ氷河だ。氷河が合流するところは厳しい下りと登りになる。合流した地点にちょっとした平坦地があって、そこがリリゴのキャンプ・サイトだ。2時頃だっただろう。ここでは側に水場がないので眼下にある氷河まで降りなければならない。ここでのキャンプを多くのトレッカーは避けている。我々も次のコブルジェを目指す理由にもなった。
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相変わらず強烈な日射を浴びながらの歩行は辛い。時々大きな岩陰を求めて一息入れる。4時には真正面にブロードピークが視界に入る。今回目標にしていた8000M超の一つだ。ブロードピークは扇を広げたように大きな山なので高さを実感できない。
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先に進むとブロードピークが右手の稜線の陰に隠れていく。5時には前方にコブルジェ(4000M)のキャンプ・サイトが目に入る。その後30分でコブルジェのキャンプ・サイトに到着。余裕があったのでゆっくり登ったにも係わらず決して楽勝ではなかった。パイユからウルドゥガスを一気に一日で登る計画を断念して正解だった。
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