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医師不足の今日的視点 [医療]

医師不足は二つの意味を持っていると思います。一つはOECD諸国の中で国民当たりの医師数の問題と国内的に見た医師の偏在という2面があります。前者はここに来て顕在化したわけではなく、むしろ今日的課題としては後者が俎上に上っているのではないでしょうか。とりわけ初期研修導入後に顕在化した医師不足は地域医療を支えてきた大学医局の持つ人事権の後退(地域医療の崩壊)と勤務医が他の領域(開業)に移動している(勤務医の不足)ことだと思います。
大学医局の後退は魅力ある医学(臨床)教育が果たせてないという宿命に対し答えを出し切れていない大学自体の問題です。しばしば大学当局からは初期研修制度導入に問題ありと片付けていますが、その姿勢にこそ大学の限界を示しています。他方、小松先生(虎ノ門)がご指摘のように勤務医の環境が益々悪化して挫折の結果として開業に向かっていることが大きく作用していると考えます。
さらに、勤務医に過大な負担をかけている背景には日本における家庭医(総合医)教育の不在があると思います。その帰結が患者から見た信頼を持てない開業医を無視して何でも病院に行くことになって、勤務医の負担を必要以上に大きくしていることもあると考えます。これは診療報酬の改定と家庭医を米国のようにしっかり認知して専門医制度を確立する、そして大学でも家庭医コースを作るべきだと考えます。
ご意見がございましたら交換させてください。


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