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ヒマラヤ・トレッキング=⑩カンチェンジュンガ・トレッキング(10月31日) [カンチェンジュンガ]

チェラムからラムチェへ

10月31日(火)
5時半に起床。快晴だ。身体を解すつもりでストレッチをしていたら気のせいかふらつく感じだ。高度のせいだろうか、疲労のせいか。テントのすぐ前には昨晩からゾッキョの子が紐に繋がれていた。昨夕は近場の草を食んでいた姿を見ていたが、今朝は足をたたんで休んでいる。一晩中このままでいたようだ。周りには霜が下りて水は凍っていたから氷点下になっていたはず。さすが高山に順応した家畜だ。何もなかったかのようにごく普通のようにしている。番屋の管理をしている家族(夫婦と男の子)がゾッキョに近づき餌をやっていた。金属の食器には乳が入っているようだ。


8時15分、バッサン(サブガイド)と二人で先行して出発だ。この一帯は木々の背丈は3Mにも満たない低木が疎らに生えている。そろそろ森林限界に近づいているのだろう。ガレ場を一歩一歩登っていく。




岩場の連続で緊張はするが、それよりも高度のせいか足が意図したとおりに動いていないようなまどろっこさがある。8時20分正面には真っ白に雪を頂いたラトンがくっきりと見える。




8時40分左手から落ちてくる沢を渡渉し次のガレ場に向かう。登りきるとフラットな平原状に出る。9時半カルカを通過。ここからはラトンだけではなく、カブルーサウスそしてその先にはノースも見える。

日陰にはところどころ雪が残っている。純白な雪だから明らかに今冬の新雪だ。
11時15分池塘の前に出る。ここはラプサン(4310M地点)。ヤクが草を食むでいた。なだらかな平原状のカルカは湿地帯でもあり、水が豊富なところだ。

11時45分ポカリの前で昼ご飯。陽が陰って一寸肌寒くなった。いつものホットオレンジジュースにヌードルスープ、ウインナソーセージ、ナビスコのビスケット、キャベツの和え物そしてコーヒーだ。こんな雰囲気だとまるでハイキング気分だ。ところで水は目の前のポカリのお陰で水には不自由しない。

ススで汚れた鍋を洗っていた。たわしにつまみ上げた泥を磨き粉代わりに使って見事にピカピカに仕立て上げていた。便利な生活に慣れ親しんだ我々にとってはビックリするような知恵に感動だ。
12時45分出発だ。ようやくヒマラヤらしい高山らしい景観に出会う。なんと長かったことか。見事な屹立した山々。遠くにはヤルン氷河が見え始めた。小さなポカリが幾つもある。

2時には今日の目的地ラムチェに着く。右手にはヤルン氷河が押し出して作られたモレーンがある。
早速ヤルン氷河を見るために目の前のモレーンの上を目指して登る。そこに登るとカンチェンジュンガ方面の山が見えるのではと期待し、バッサンを連れてカメラを抱えて登る。ガレ山を直登するので足元の浮き石で滑ったりする。大したことにならないがカメラが大事だ。すでに高度は4500mを越しているので直登は息苦しい。でもあっという間に丘陵の頂点に立つ。この先は一気に落ち込んだ谷になっていた。よく見ると谷底の所々に白い壁に囲まれた薄青い氷が覘いていた。これがヤルン氷河だ。ほとんど土砂で表面が覆われているので気がつかなかったが、この辺りが氷河の終着点。




この谷は氷河が上から下りながら岩石を両側に押し出して出来たアブレーション・バレーであることが理解できた。長い年月かけて作られた谷だが、温暖化のために谷をそのまま残して、氷河が後退して今では遙か谷底にしか残っていない。

残念ながら雲がかかってカンチェンジュンガ方面は雲の中だ。しばらく雲が切れるチャンスを狙って佇んだが、体の芯まで冷えてくる。無風で無音の世界。時々落石の音が氷河にこだましている。カンチェンジュンガの上部を目指すときはこの谷底をトレイスして上を目指すわけで、谷底を歩いている時に聞くこの音はもっと不気味に感じることだろう。残念ながら眺望が期待できそうもないので、明日オクタンまで進んでカンチェンジュンガが眺望出来ることを祈りながらテントに戻る。
今晩の食事はヤク肉入りのダルバートにご飯、ニンニク入りのネパリースープ、茹でじゃがにワサビを付けて食べたらこれがとても美味しかった。食欲がすっかり戻り始めてお代わりをする。





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