SSブログ

ヒマラヤトッレキング・・④RENJO LA越えでゴーキョへ(エベレスト,ローチェ、マカルー、チョオユー) [ゴーキョー]

10月26日(水) ナムチェで高度順応~~~~~シャンボチェ、クムジュン回遊

雨は上がっているが天候はすぐれない。今日は高度順応のためのレストデイなのでさして気にはならないが長引かないことを祈る。6時に起床、7時に朝食、モーニングセットを頼む。トーストにポテイト、目玉焼きそしてオレンジジュースにコーヒー。山の中とは思えないメニューだが、ヒマラヤに入ってパンが口にはいるとは想像外だ。以前来た時にはパンは探してようやく見つかる貴重品だった。まだ数年しか経っていないのに西欧化のテンポが速いのを実感。

8時15分トレッキングの準備完了だ。ロッジの美味しいツナサンドをランチに用意して貰う。今日は近場を回遊するだけなので荷物はカメラと飲み物程度。全員軽装で出掛ける。一気な急峻な上りになる。息をあらくしながらの上り。縦横にあるヤクの獣道から選びながらガスのかかるなか上に浮かぶタルチョーを目指す。眼下にはネパール軍の駐屯地とそこで警護する兵隊そしてナムチェバザールの集落がパノラマのように見える。天気が良ければエベレストが望めるのだが今日は全く絶望的だ。下から見えたタルチョーが岩の上に翩翻と風を受けてはためいているところに着く。50分だった。徐々に傾斜が緩くなり、なだらかな尾根状になっている。ひたすら上を目指す。我々を追い越して小学生や中学生だろう同じ制服を着て、いとも軽々と登っていく。彼らはクムジュンにある10時始業の学校に向かっているそうだ。毎日、天気が良かろうが悪かろうがこの山岳路を通う。ガイド達はみんなそんな生活で鍛えられるのだから強いわけだ。彼らの通うクムジュンの学校はヒラリーの寄付金で運営されている。9時10分フラットなチョータラのあるところで休憩。ここは3700mだ。富士山山頂の高度にもう一寸。

シャンボチェのエリアにすでに入った。左手の草原地帯には舗装されてない滑走路がある。トレッカーがヘリをチャーターしてダイレクトに入る飛行場だ。前方にはホテル・パノラマが建っている。一泊100ドルとか。かなり高いホテルだ。9時40分、標高3800m富士山の山頂をいよいよ越えた。ホテルの右手を迂回しながら先に進む。9時55分草地にはヤクが草を食んでいる。右手前方にはアマ・ダブラムがあの独特な美しい姿を雲の上に突きだしていた。

10時10分ホテル・エベレストビュー(3880M)に着く。まるでゴルフ場のゲストハウスに向かう景観に笑ってしまう。こんな山地によくぞここまで造ったものだ。ここの自然な環境とマッチしているのだろうか疑問を感じた。宿泊料も一番高いとか。確かに各寝室からエベレストを窓越しに眺望できるのは良いことかもしれないが・・・。なにもかも高い。紅茶がポットで700ルピーとか。テラスに出てエベレスト方面に目をやる。残念ながら雲が切れず時々切れ目からエベレスト、ローチェが一瞬だけ覘くが写真を撮る状況にはならない。白人のトレッカーが溢れている。山に詳しくない人も多いのか、さかんにエベレストは見えるのか、どれだ、と質問される。ここでは観光気分が横溢している。

10時55分ホテルを出てクムジュンに向かう。雲が重く垂れ込めている。ホテルを背に右手に向かう。唐松と石楠花が鬱蒼と茂る道の先にはクムジュンの集落がある。足下には落ち葉が絨毯のように敷き詰められている。まるで日本の山行を思い出す。平坦な道を20分ほど歩くと黒土の畑で土を耕している農家の人たちに出会う。家族総出で農作業だ。近代化する以前の日本の農業にそっくり。石混じりの土地、砂状で耕作には恵まれない農耕が平均的なのだが、この地は恵まれた土壌になっている。

クムジュンはシェルパ族の大集落だ。一軒しかない食堂でランチをとる。朝作ってもらったサンドイッチを取りだし、スープを注文して済ませる。腹を満たしてうねる細い道を辿りながら正面に見えるゴンパに立ち寄る。それほど大きなゴンパではないが、この寺の売りは「イエティーの頭」が有ることだ。イエティーはネパールの神話上の存在と聞いているが、その神話上の獣の頭部が陳列されているとか。真偽のほどを追求する野暮は止めてドネーションを払って1時、ゴンパを出る。

食堂のあった元の広場に戻り、正面にある学校を経由してナムチェに向かう。この学校はナムチェからの生徒も来る教育施設。ヒラリーの寄付で維持されている学校だ。小学校から高校までの施設がある。ハイスクール生だろうかサッカーボールを蹴り合って遊んでいた。広場を抜けると石畳の登り道がある。左手に向けて矢印があったが、そちらはヤク・ルートだそうだ。マスクディア(じゃこう鹿)の保護のためと看板には書いてあったが。

ここでも石楠花が繁茂している。きっと春先には素晴らしい花を咲かせることだろう。霧に覆われて幻想的だ。3800mでの登りは息が上がる。手の込んだのや手作りのチョルテンが立ち並ぶ3850Mの峠にさしかかった。1時35分。二匹のヤクを連れたチベタンとすれ違う。チベタンだとダワさんに言われないと分からないほどシェルパ族にそっくりだ。彼らはチベットからヤクを売りにクムジュンに来ているそうだ。長い危険な旅で得たお金で何かを買ってチベットに戻るのだろう。

ここで初めてゾキョが牛の雌とヤクの雄を掛け合わせた一代種であることを知る。1時50分シャンボジェの村を通る。そこにはネパール軍が駐屯している。非番の兵隊だろうか散策をしていた。さらに下り2時10分には眼下前方にナムチェの街が目に入った。2時20分ナムチェの上にあるゴンパを通過。2時半、ホテルに戻る。今日の課題であった高度順応を無事終える。

取り敢えず各自それぞれの部屋で休んだり、ソーラシャワーを使ったりして休養。4時過ぎにナムチェの街に出て追加の買い物をする。フェイスタオルが50ルピー、小さなリンゴが30ルピーだった。霧雨が降りとても肌寒い。そう言えばルクラで雇用したポーターとはほとんど顔を会わすこともないのだが、彼らには日当700ルピーが支払われ、いわゆる“運び屋”で我々と一緒に行動する持つポーターとは扱いが違う。彼らは自分で宿から食事まで賄うそうだ。そんなことで我々の身近には居ない。次の目的に着くと我々の荷物があるという関係でしかない。

街から帰ると寒いので直ぐに食堂に入る。そこには逗留するトレッカーが既に団欒をしていた。分厚い本を読んでいる人、トランプに興じる人たち、会話を楽しむ人たちそれぞれだ。我々も話しに花が咲く。同年齢の集団なので話に共通点があって楽しい時間が経過する。美味しい食事は今日限り、ナムチェスープ、イタリアンボロネーズ、ステーキなどを注文する。明日の天気が気になるが、あっという間に熟睡していた。


nice!(0)  コメント(1)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 1

マンゴー

子供たちは毎日山岳路を通っているうちに鍛えられてるんですね。
だから運び屋のポーターの人たちは、荷物を持って登ることもできるんだ。
すごいですよね。

“ゾキョ”がどんな動物か想像できないです・・・
“ヤク”は、鹿のような感じかしら?
勝手に、想像しちゃってます。
写真があれば、また見せてください。

便利になるのは、いいことですが自然を破壊しては
そこの生態系や環境を壊すことにもなりますよね。
山にゴミを捨てる人がいると聞いた事があります。
訪れる観光客もマナーを守らないといけないですよね。
by マンゴー (2006-03-27 01:12) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。