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⑨ヒマラヤ・トレッキング(アンナプルナ・アラウンド)(2004年11月) [アンナプルナ]

11月14日(日)  マナンで高度順応の一日

夜中に喉が渇き水を飲む。満天の星だ。明日も天気が約束されている。睡眠中に意識するわけではないが、時々息苦しさを感じて慌てて深呼吸してしまう。でもいつの間にか寝込む。しばらくすると又息苦しい。そして深呼吸。それを繰り返しながら、結局浅い眠りになってしまった。この体験はラウルビナヤク・パスを越えるときにも経験したことだ。酸素が高山で希薄なっているからだ。浅い眠りになって寝不足になる恐れを感じながらも、結果的にはそれなりに寝ているのだろうか。 5時半頃だろうかカウベルの音が聞こえてくる。夢うつつの中でカウベルの音を数えると相当の数になる。ポニー・キャラバンの一帯が早朝から下山しているのだ。ポニーの使い手の口笛やかけ声が時々聞こえてくる。 6時には空も白み、寒い中手を擦りながら表に出て写真を撮る。右手遠くにある谷間の向こうにはマナスル・ヒマールの山が見える。丁度その背後から日の出だ。

正面にはガンガプルナ、その左手にはアンナプルナⅢ、Ⅳ、Ⅱと続く。

山羊の一団が左手から右に向けてきちっと連隊を組んで移動している。おそらく小屋から解放されて放牧地に向かっているのだろう。誰が指示するわけではなく移動している姿に感動した。7時40分朝ご飯を終える。体調を意識して魚肉ソーセージにゆで卵、海苔茶漬け。

今日は高度順応のための休養日に当てられている。トロン・パスの5500mへの挑戦の為だ。最初のトレッキングでは時間を節約して本来休養する場所で次の行程に移ったためか高山病にかかってしまった反省から無理をしないことにする。

8時45分マルシャンディ川の対岸に聳えているピークにあるチョルテン(3800m)を目指して出発する。昨日の午後とはうって変わって無風だ。タルチョーも垂れ下がっている。陽が昇るに従って上昇気流が谷間という狭い通路に沿って上部を目指す。それが午後からの強風の原因なので朝方は静寂そのものだ。 今日の荷物はカメラと飲み水、ビスケットだが、荷物はポーターが持ってくれるので、コンパクトカメラだけを首に提げて登る。両側に家並みが迫りその中を潜り抜けるようにして通り過ぎる。そしてマルシャンディ川に架かった橋を渡る。しばらく河原を歩き右手の稜線を目指し足を進める。瓦礫の中にいくつかのルートがある。稜線の裏側にはダム湖があって白濁した水を満々とたたえている。9時15分真正面にガンガプルナの氷河を見上げる展望台に着く。

ガンガプルナの稜線越しにティリチョー・ピーク(7134m)が、その先には明日目指すトロン・ピークが、さらにその右手に振ればチュル連山が見える。10時40分徐々に風が吹き始めた。いつものように午後に向けて強い風の吹く前兆だ。チョルテンがはためき始めた。バッティがあって紅茶を飲む。アンナプルナ山群も視界に入り、マルシャンディ川を眼下にそしてその対岸には集落が広がる。そして下流に目を移すとマナスルⅠ峰が見える。マナンの町から見えたのがマナスルⅡ峰、見ることが出来ないがⅢ峰、Ⅳ峰があるそうだ。

10時55分下山を開始。下山途上では上を目指す多くの外人トレッカーと行き違った。11時40分小屋に戻る。1時にランチを取る。ツナサンドイッチとミネストロープ。パンに不安があったが普通のサンドイッチに安心。こちらでは普通のパンになかなかありつけない。久しぶりに食欲にこたえる食事になった。

午後はのんびりと休養。昼寝をしていたらバタバタという轟音にに目を覚ます。ヘリの到来だ。強風でただでさえ砂塵が舞い上がっている上に土埃を巻き上げて目の前にあるヘリポート(と言うよりらしき場所)に降りた。話によれば高山病患者の運搬のようだ。このような風景は日常茶飯事。ダワさんによれば外人は体力があるが故に高度順応には対応出来ず、高山病になるケースが多いそうだ。日本人は非力でもあり体力相応に上るので比較的少ないとか。

6時に夕飯。再びヤク・ステーキにラザニア。一寸ボリュームが重い。多少残してしまった。明日は早い出発なので早々に寝支度をする。今晩は鼠対策の為しっかりザックの紐を縛る。


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