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再度エベレストトレッキング(2012・1015~1113)14 [コンマ・ラからエベレストへ]

2012年10月31日(水)~11月5日(月)

タンボチェ(3860M)そしてナムチェバザール、パクディン、ルクラそしてKTMへ

10月31日(水) タンボチェへ
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日程変更ですっかり余裕が出来たのでのんびりの行程になる。今日は3時間でタンボジェに向かう。今日も快晴だ。あとは下山するだけなので今回のトレッキングの目的は達成できた。夕方あるいは夜に多少の雪が降る日があったが、天候には恵まれ過ぎるぐらいで、見たいピークはすべて見ることが出来た。10回以上ヒマラヤ、カラコルム入りをしているが、いつも本当に運が良い。神がかり的というか、天気男の本領発揮という感じだ。
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8時に出発する。ダワさんは早立ちをして先にタンボジェに向かう。マニ・リンドゥというニンマ派の年に2回あるお祭りがタンボチェで催されているという事でクンブ地方各地から多くの人々が楽しみに訪れるそうだ。ダワさんの配慮で、今日からはロッジ泊まりにしましょう、予約をしていないのでロッジの手配のために先に行きます、と云うことだった。
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私に付いてくれるのはカメラ・ポーターのラムさんだ。ラムさんは日本語は全く出来無いが、英語が堪能なのでこれからのやりとりは片言の英語になる。ショマレの集落は下山し始めて最初の大きな集落。石畳のトレイルを下っていく。谷に向かって両側の稜線から左右交互に尾根が屏風を立てるように迫っている。その間を縫って先に進む。
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眼下にはパンボチェ(3930M)の集落が望める。8時半にはそこを通過する。後ろを振り返るとタブチェ、アマダブラム、カンテガが望める。ここは往路でも歩いたトレイルだが、逆向きなので景色が新鮮だ。往路ではエベレスト、ローチェという巨大なピークへの意識が強く、それ以外のピークにはなかなか目がいかない。
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10時にはイムジャ・コーラを右岸から左岸に移り、ちょっとした急登を上るとフラットなエリアに出る。ここまで来ると前方の稜線上にタンボジェのゴンパが視界に入る。10時半にはディボチェを通過する。数軒のロッジがある。振り返るとしばらく隠れていたエベレスト、ローチェの岩峰が見えるようになる。ここまでは軽い上り下りはあるが楽なトレイルだ。

そこからタンボチェまで急登になる。しかも道は乾期で完全に水分を奪われて、歩くたびに砂ぼこりが舞い上がる。自分が巻き上げるのはさほどではないが、行き違うトレッカーやゾキョの砂ぼこりには参った。鼻を直撃して未だ癒えてない鼻の粘膜、気管支を直撃する。急登で息苦しい上に、マスクをするとうっとうしい。何度も立ち止まって充電する。最後の急登が終わった瞬間、そこがタンボチェだ。
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マニ・リンドゥで大勢のネパール人(主にシェルパ族)が集まっている。テントも往路時とは違ってゴンパ前の広場に数え切れないほどのテントが張られている。バザールも開催されている。当地のトレッキング・ルートでは白人が目立って、しばしばここはどこだろうと疑う場面もあるくらいだが、今日はネパールにいることを実感する。
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ダワさんが早立ちしてくれたお陰でロッジの手配は出来ていた。確かにこの祭りを目的としたトレッキングもあるくらいだからロッジの確保は大変だっただろう。広場に面した明るい部屋に落ち着く。目の前にタムセルクの厳しい稜線が屹立している。強風で稜線から雪煙が雲のように流れている。右手にはアマダブラム、そして今日のルートを振り返るとエベレスト、ローチェが見える。
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昼ご飯を終えて、マニ・リンドゥを見に行こう。ゴンパには自由に出入りが出来る。脹ら脛の張りが重しのようになっているのでゴンパに上る階段ですら辛い。マニ・リンドゥのお祭りはシェルパ族ニンマ派の大祭だ。そのクライマックスが今日だ。クライマックスでは僧侶扮する道化師が見物客の中から相方を呼び出して滑稽さやエッチさで観客の笑いを取る。そしてお米をヤク乳で作ったヨーグルトで煮込んだお粥を振る舞う。酸味がきいた意外と美味しいのにびっくりした。中庭にある広場を囲んで大勢の観客がところ狭しと座って固唾を飲んでこれからの展開を待ちわびている。
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道化師はドイツ人の女性トレッカーだろうか声を掛けたが、最初は尻込みをする。周りからはやし立てられ結局は覚悟して相方をつとめる。観客はさっき施しのあったお粥を口にしながら見物だ。仕草でしか理解出来なかったが大勢の観客から笑いを取っていた。
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テント生活からロッジ泊まりに変更になったのでコックさんと彼の知り合いのポーターは明日の早朝先行して帰路にそしてゾキョ使いはここで任務終了だ。ゾキョ使いはすでに荷物の整理をして帰宅の準備をしている。彼の故郷はここから近いプンキテンガの先でバッティーをしているらしい。陽が傾き始めたが、暗くなろうとここからは問題ない。明日家で待っているので立ち寄って欲しい、と言付けて去っていった。
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キャンピング・トレッキングの最終日には恒例ならケーキを作り、ちょっと贅沢な食事をするはずなのに、今回は全くその気配がない。ダワさんに確認したらどうもコックさんとの折り合いが上手くいっていないようで、先に下山させることにしたようだ。確かに、スタート当初は手間の掛かる料理を用意してくれたが、その後はだんだん手抜きが見だっていた。それと私が注文したとおりにもならなくなっていた。さてさていつものことだがお別れの際にはチップの問題がある。このマイナス要因もあったが気分良く送りだそうと50ドルを渡した。
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11月1日(木) ナムチェ・バザールへ
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朝ご飯を久し振りにロッジのメニューから選ぶ。ダワさんが選ぶロッジは食事が美味しいことを条件にしていると聞いた。タンボチェ・ゲスト・ハウスもその例に漏れない。

10時に出発する。この先は一番辛い砂塵との戦いだ。ゲートを潜ってタンボチェとお別れをする。登りで苦労したトレイルを一気に急降下する。砂ぼこりが舞い上がるなか口にタオルをあてがって鼻、気管支を守る。プンキテンガ(3250M)にはあっという間に着く。

ここでは目的地に向かうトレッカーと帰路についたトレッカーで大賑わいだ。ホットレモンを飲んで一息入れる。キャンズマ(3550M)までは急登になる。ここからはぼちぼち人家もあってチョータラもある生活圏に入った。午前10時40分一休み。10時50分ラウシャサの集落を通過する。その集落の外れにあるバッティーの店先でお世話になったゾキョ使いが待ち構えていた。人なつっこい顔で招き入れる。決して小綺麗なバッティーとはお世辞にも言えない、知り合いでなければ絶対立ち寄ろうとは思えない店作りだったが、薄暗い中に入る。奥さんも出てきておもてなしだ。チャイをご馳走になって一息入れる。店先は砂ぼこりが陳列している商品が砂埃を被って汚れきっていた。気の毒な話だ。裏庭を見ると荷物を運んでくれたゾキョが草を食んでいた。
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トレッカーの様相にも変化が起きている。タンボチェまでの一見観光客と覚しく人も増えてくるので、服装もまちまち。ペースもまちまち。雰囲気が一変して俗世界に戻った気分だ。バッティーを辞して12時にはサナサに着く。ゴーキョからのトレイル、クムジュンへの生活道路がここで合流する。すでにフラットなトレイルになっている。5分もしないうちにキャンズマのロッジに到着する。ここからの展望は素晴らしい。デッキになったテラスで昼ご飯を食べる。カンテガ、タムセルク、アマダブラム、ローチェ、エベレスト、ロブチェ、ピーク38の眺望が素晴らしい。
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ここからはフラットなトレイルをのんびりと進み、左前方にネパール軍の駐屯キャンプが見えるとナムチェバザールはすぐだ。眼下に街並みが見えて左手に往路で幕営したロッジを見ながら一気に下降する。今晩はナマステ・ロッジに泊まる。ここも何度か世話になったロッジで魅力ある女将に再会出来るのが楽しみだ。
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着いてびっくりした。外観は以前と何も変わらない作りだったが、その裏側に新館が増設されていた。新館に案内されて部屋に入ってびっくりだ。なんとシャワー・トイレ付きの部屋になっている。以前は鍵の掛かったシャワールームで順番待ちだったのに、今回は気兼ねなくふんだんにシャワーが使える。長期間身体を洗えなかったのでまずはシャワーをとろう。ダワさんの気遣いに改めて感謝だ。きっと室料も高いのだろう。そしてここの料理が云うまでもなく美味しいのが嬉しい。
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一風呂浴びてさっぱりしたので街に出てみた。トレッカー、観光客でごった返している。甘いものに遠ざかっていたのでカフェに入る。シフォンケーキと一杯仕立てのコーヒーしめて300ルピー。ダワさん、ラムさんはあまり表情を変えずに淡々と口にしていたが、私にとっては感激だった。
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思いっきりご馳走にしようとヤクステーキとマッシュルーム・スープを注文する。

翌日も身体を休めるためにナムチェで休養だ。このロッジならゆっくりするのは大歓迎。ホットシャワーを浴びて美味しい料理三昧。
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11月3日(土) パクディンへ
11月4日(日) ルクラへ
11月5日(月) KTMへ

パクディン、ルクラでそれぞれ一泊して無事にKTMに戻る。
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改めて実感したことはエベレストを目指すトレッキングは日本人であれば富士登山に似て、エベレストは世界中の人が目指すメッカだと云うことだ。すでに静寂に満ちあふれた自然界を堪能するエリアではなくなってしまった、ネパールではポカラと並ぶ西欧化したエリアなので、現地の人もネイティブらしさを捨て西欧化せざるを得ない状況だ。大好きなネパール人との素朴なふれ合いは難しくなっている。

それでもヒマラヤの山々は天からの梯子、降臨する神々はヒマラヤの峰々から現世に降り立ってくれる。世事を忘れさせてくれる神々しい世界であることには違いない。また機会があったら世の中の呪縛から心を解放して欲しい。それを祈り、再会を誓ってネパールを旅立った。【完】
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