SSブログ

シッキムからカンチェンジュンガを目指す⑨ [カンチェンジュンガ2]

ユクサムからナムチそしてダージリンへ (5月10日)

0510_090757a_.jpg
穏やかな朝だ。朝ご飯を昨日のランチをとったユクサム一のホテルですます。ウエイター達の気取った立ち振る舞いだけは一流擬きだが、どこか鄙びたというか田舎っぽいところが残っているのが愛らしい。すでにチャーターしたジープが来ている。
20090510_114540a_.jpg
ユクサムから一気に下っていく。見事な棚田が足元に広がっている。日本とは比較にならないスケールだ。谷を挟んで前方の稜線上にはペリンの街の集落が見える。ペリンは地図には記載されてない新興都市だ。ガルツインから遠くないところにある。ここ数年で急成長している街だが、その理由は避暑地的環境とそこからの眺望が素晴らしいことらしい。天気がよければカンチェンジュンガが望める。
20090510_114704a_.jpg
ペリンに立ち寄るかナムチに立ち寄るか悩んだが、巨大な仏塔があるナムチ経由でダージリンに向かうことにする。決定的な理由はないが、ガイドのテンジも行ったことがないと聞いたので。

ペリンにはすぐに右手に折れて進むが、私たちはタシリンの街を経由して往路と同じ道を南シッキムに向かう。ヘアピンの道を一気に川面まで下り、吊り橋を渡る。しばらくは往路と同じ道だがしばらくしてガントクに向かう道と分かれて先に進む。ランギッド川の川面に沿って下っていくと9時20分リクシップの街に。久しぶりに大きい街だ。

ここではペリンに向かう道とガントクに向かう道が交差している。リクシップは今までより明らかにヒンズー教の色が濃くなってきた。左手に川を見ながら下流に向かう。
20090510_121903a_.jpg
9時40分ナヤバザールの街を通過。ここでダージリンへの道と分かれて左に折れて吊り橋を渡るとそこは南シッキムに入る。いよいよナムチへの道だ。ここからはヘアピンの連続、その周りは棚田が続き、時折集落が軒を寄り添うようにある。10時半にはナムチの街に着く。稜線上に広がった大きな街だ。山の上に大きな仏像らしきものが見える。それがナムチの一番の見せ場になっているグル・パドマ・サンババ(ラマ教ニンマ派の開祖)の像だ。
20090510_163015a_.jpg
ここで昼ご飯をとり一息入れる。ナムチの街のセンターは歩行者天国になって、その中心には金魚や熱帯魚が泳ぐ大きな水槽があった。その周りを市民や子供達が木陰で寛いでいる。さっきの吊り橋が標高500M、ここはすでに2000Mだから空気も締まって清澄な気分なると期待したけど、あまりにもたくさんの車が行き交っているので砂埃が舞いあがっている。
20090510_143038a_.jpg
まずはサムドルプチェにあるグル・パドマ・サンババの像を拝観しよう。バザールを横目に見ながら丘に登る。確かに像の迫力はあるが、作りたてと言うこともあり、日本人にとっては神々しさは実感できない。像の台座になる広大な石壇に靴を脱いで上る。台座の石は太陽に暖められて焼け付くように熱くなっていた。一応は掃除はしているらしいが、足裏に小石やゴミが刺すように当たって痛い。

像の中に入り最上段まで登るとナムチの街全体が眺望できる。ガイドはラマ教信者なので厳かに敬意を表しているので露わに出来なかったが、正直言ってこの仏像からは何の感動も生まれなかった。ナムチにはもう一つの象徴がある。稜線の先にはヒンズー教の塔が競い合って建立されている。そこには立ち寄らずタマン族の信仰対象になっているゴンパに立ち寄ってナムチを離れる。
20090510_165021a_.jpg
ダージリンはここから大凡60KM距離、約1時間半の道のりだ。一気に川面まで下り、バリバザール(530M)で吊り橋を渡りしばらく進むと、シッキムからダージリン(西ベンガル州)へのチェックポイントがある。パスポートの提示と差し出されたノートに著名をして通過。ここから37KM、標高2000Mを越えるダージリンに向けて高度を上げていく。
20090510_173326a_.jpg
ダージリンのある西ベンガル州は別名ゴルカランドと呼ぶ人達もいる。その背景にはお茶の生産という職を求めて大勢のネパール人が入植して、ネパール人=ゴルカの国としての独立運動もあった。それ以来ゴルカランド実現を託して水面下での運動が今でも続いている。インド入国前にネパールではインド人入植者の独立運動で道路封鎖に遭遇したが、改めて地続きの世界での国境そして民族問題の抜き差しならない現実を目の当たりにした。
20090510_184315a_.jpg
道は細く、ヘアピンの急坂になり、しかも悪路になる。道の両側にはダージリン特産のお茶畑が広がってきた。雲行きが怪しくなり、突然驟雨が襲ってきた。道はぬかるみ視界も不良になる。対向車とのすれ違いにも神経を使わなかればならない。行き違うためにしばしば後退を余儀なくされる。
20090510_185004a_.jpg
20090510_185723a_.jpg
驟雨と思っていたら、そのあとは雷だ。しばらくは天候の回復は無理だろう。お茶の工場もあった。運転手が一休みしたいということになってバッティーに寄る。神経を使うドライブも終わり、3時40分にはダージリンの街に着く。ところが運転手からこの先には行けない、地元のタクシーに乗り換えてくれ、とのことだった。町中には地元ナンバー以外の走行が出来ないルールになっているそうだ。やむなく大きな荷物を下ろし、テンジが必至になってタクシーを探す。ここはターミナルになっているのだろう。車は溢れるほどあるのだが、なかなかOKがでない。ようやくスズキのタクシーに乗り込んで、ホテルに向かう。

ダージリンは山の急斜面に張り付くように発展した大都市。その中をヘアピンの道がぬって繋がっている。ホテルはジープを降りたところよりはるか高い場所にある。駐車している車、行き交う車そして歩いている人々その間を走り抜けるには日本で言う軽自動車は最適だ。ホテルに着いたが、看板があるけどレセプションは?なんと建物の4階にあった。急傾斜地に建てられた建物で一階は食堂、2階はレストランがあってホテルは4階になる。重い荷物を持って上がるのに息が上がった。でもこの作りは火事や地震があったら逃げ場がないね、とテンジと笑う。

西向きの窓からは夕日を背負った雲が赤く染まっているのが見えた。このホテルで2泊する。
20090511_214558a_.jpg
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:旅行

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。