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伊藤 和也青年の死 [カラコルム・ヒマラヤトレッキング]

K2から帰国直後にムシャラフ大統領が辞任に追い込まれ、パキスタン(PK)とアフガンの関係悪化が進行していると聞いていた。その矢先にまさかのペシャワール会の活動家伊藤和也青年が拉致されあっという間に殺戮されたという報道は余りにも惨すぎた。

彼の所属するペシャワール会は中村哲医師が主催しているアフガンの社会インフラ支援団体で、地元からその活動が高く評価されていると聞く。たまたま私のパキスタンのトレッキングをコーディネイトしてくれている方が中村哲医師達の現地でのサポートをしていることもあって、ペシャワール会の活動には関心を持っていた。

アジアと言ってもネパールとPKしか知らないが、どちらの国でも私が日本人であることを改めて自覚されるし、されに嬉しいことは彼らから尊敬の対象になっている日本人であることだ。日本が明治以降あっという間に西欧の列強に追いつき、彼らにとって日本は理想的なロールモデルの国になっていることだ。さらに欧米人との対比で日本からの経済支援に感謝の念と日本人の礼儀正しさ、誠実さ、正直さ、約束を守る素晴らしい民族と見てくれている。

ペシャワール会だけでなく同じような活動をしている彼らの活動のお陰で社会インフラや農業振興が進み地元民からは大いに感謝されている。偶々トレッキングで入国した私にも同様な評価が及んでくる。こんな嬉しいことはない。しかしそれが伊藤和也青年の死と彼らの献身的貢献によって得ていることを知った。

今回の事件は彼が非業の死に直面し、彼の誠実でアフガンに純粋に貢献しようとした思いが無残に打ち砕かれてしまった無念さは言うまでもないが、さらに平和への関わり方についての日本の有り様を問いかけていることに気付く。

日本はアジアに位置し、その国々との連帯の中に21世紀の平和を実現しなければならない。軍備による力ずくの支援(?)は時にはある国を支援しているように映るが、実はその国の中でも多くの敵意を醸成し、周辺の反対勢力との敵対的関係を作ることになる。それに引き替えペシャワール会などのNGO活動や紐付きでないODAは軍備支援を超えた優れた平和活動になる。原丈人氏も主張する「尊敬される日本」の具体的、実践的活動だ。

改めて伊藤和也青年の死によってこのような活動が停滞したり、中断されないよう環境整備が進むことを期待する。



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