SSブログ

ヒマラヤトッレキング・・②RENJO LA越えでゴーキョへ(エベレスト,ローチェ、マカルー、チョオユー) [ゴーキョー]

10月24日(月)カトマンドゥから空路ルクラそしてパクディンへ

5時半には目が覚めてパッキングでバタバタする。カトマンドゥの空は澄みきっていた。乾期と言ってもしばしばスモッグだろうか霞むことがある土地柄。清々しい気持ちだ。未だ寝静まった街を彷徨する。人気がないわけではないが、店は未だ開いていない。外人向けのパン屋だけが香ばしい香りを漂わせながら客を待っていた。7時にはゲストハウスで朝定食をとる。日本人の団体が食堂を使っていたので、さすがに寒かったが中庭での食事となる。

8時には迎えの車が来た。ダワさんのボスでリンジさんが挨拶に来た。彼とはランタン以来、前回のアンナプルナでも会っている。流暢な日本語を操り我々とも会話が弾んだ。今回はテントを張る場面も想定して自炊の為のコックと材料そしてそのためのポ-ターも準備されている。荷物が大がかりになって車の上にも載せて空港に向かう。8時20分には国内線の空港に到着。

搭乗の準備に入るが今までには経験していない程カウンターが混み合っている。今時はトレッキングにとって一番のハイシーズンと言うことだろう。それと後で分かったのはネパールで2番目に大きい祭り・ティハールの直前と云うこともあって現地人の乗客も多いことが分かった。ルクラを始め山岳方面に向かうフライトはしばしば気象条件でディレイしたり欠航があるが、幸い今日は予定通りの運行が期待出来そう。9時には搭乗手続きを終え9時50分のフライトの予定となる。

 ガラス越しにはランタンの山々がくっきりと見えている。予定通り9時50分には離陸。カトマンドゥからはダワさんとパッサン(25才の日本人そっくりのシェルパ族)が同行。他のポーター3人は数日前に陸路でルクラに向かっている。カトマンドゥからジリまでバスで行き、その先は3日間かけて徒歩でルクラ入りするそうだ。テントを運ぶポーター二人はルクラに着いてから採用する事になっている。

 順調なフライトで左手にはヒマラヤの山々が見える。ガネシュマール、ランタンヒマール、そしてクーンブヒマール。素晴らしい景観だ。仲間達は初めての山々に感動の声を上げていた。30分のフライトで10時25分ルクラ(2840m)に着く。いつもながら傾斜地にある滑走路が衝撃的だ。前方の崖に激突するようにして坂道になった滑走路に着陸。ハラハラする瞬間だ。

飛行場には先発の3人のポーターが待機していた。早速ナマステロッジで一休みする。ここは以前にも使ったロッジだ。降り立つとカトマンドゥとは違った澄んで肌を刺すような空気に高山を実感する。天気も最高。進行方向にはヌプラ(5885m)が聳え立っている。

 3年前に来た時はルクラの町に入る際に鉄条網のバリゲートがあって物々しい警戒態勢だったが、その様な気配は全くなく治安体制の変化を実感した。ただ、今でも6時以降の夜間外出は禁止されているそうだ。ロッジで腹ごしらえをして11時半にはいよいよトレッキングの開始。パクディンに向けての一歩だ。紹介が遅くなったがカトマンドゥから陸路で来たポーターはポーター兼料理人のマンバトル(32才)、ウメッシュー(20才)そしてミンミャー(19才)だ。マンバトルは茶目っ気があって楽しい仲間、ウメッシューとミンミャーは日本なら高校生のような雰囲気、子供のように陽気だがシャイな良い仲間達だ。

平坦な道沿いにトレッキング・グッズを売っている店や雑貨屋などが軒を並べているなかを進む。町はずれにはカンニ(仏門塔)がある。

カンニは街を守るための魔除けだそうだ。中を潜ると壁にはマニがあり、天上には曼荼羅の絵が描かれている。そこを通っていよいよルクラの街を後にしてやや下り気味の平坦な道を進む。左手には耕作地があるがすでに収穫が終わっている。ジャガイモ、小麦やそばなどが作られているそうだ。さすがに緯度が低いこともあって日射しは強く、歩き出すと直ぐに汗ばんできたので、全員半袖になる。

12時20分チプリン(2700m)に着く。ここでランチだ。チキンスープにベジタブルカリー付きのダルバートにする。胃はまだまだ元気なので食欲旺盛、全員チャレンジングな食生活を堪能する。ネパール料理の典型はダルバート。ダルは豆、バートはライス。豆スープにライスを絡めて食べるのが現地での食事。現地の人は右手で食べるのが常習だが、さすがに洋風化してきているのでスプーンを使って食べる時もある。13時40分チプリンを後にする。

ドートコシ・コーラを左手に見下ろしながら確実に高度を下げていく。ドートコシはチョオユーの西側チベット国境ナンパ・ラの南面から水を集めて下ってくるボテ・コシがナムチェの手前で合流して大河になっている川だ。10月後半のトレッキングはほどほどの寒さ、乾期で降水、降雪の可能性が少ないベストシーズンなのだ。ソルクーンブには世界中からトレッカーが世界最高峰エベレストを見に集まってきている。静かな山と言うより外人特区が突然現れた感じだ。2時過ぎ相変わらず高度を下げていく。往くトレッカーそして帰るトレッカー行き交っている。

2時15分クスム・カングル(6367M)が雲間からのぞく。タドコシに架かる吊り橋を渡る。ゾキョのキャラバンがその吊り橋を渡っていく。2時20分久しぶりの登りになる。25分バッティー(茶店)で一休み。チャイ(ミルク入り紅茶)を飲む。本来はハーブティーなのだが、作っている現場を見たら実際にはクリィミーを紅茶に入れただけだ。確かにこのエリアでハーブを使うと考えることには無理があった。それを知ってからは体を刺激してくれるレモンティーを注文することが多くなった。レモンティーと言っても瓶入りのレモン汁擬きを添加するだけだが。

2時35分ガートの集落を通る。ここにはリンゴ農園が開墾されている。ネパールのリンゴはどこでも小さなミカン程度の大きさ。日本のリンゴとは比較にはならない。3時10分4年前に来たときには槌音がしていたところに見事なリゾートロッジが建っていた。ヒマラヤ的というよりヨーロッパ的な嗜好のロッジだ。ここはパクディンの集落の手前になる。高級ホテルを意図しているので料金は40ないし50ドルも取るそうだ。そのせいか人影も少ない。

さらに坂道を先に進むといよいよパクディン(2610m)の集落に入る。小さなコーラに橋が架かっているが、その手前からロッジが軒を連ねている。3時20分我々は橋を渡った目の前にあるナマステロッジに泊まる。このロッジは道が二手に分かれた丁度真ん中に位置している。4年前にも泊まった所だ。その時は2月で厳しい寒さの中だったので真っ先にストーブに駆け寄った事が思い出される。雲が重く垂れ込めていて今日も寒々しい感じだが、今日は快適な環境、先ずは部屋に入る。今回は本館ではなく左手先にある別館になった。前回は隙間だらけの部屋で床から立ち上がっている煙突の温もりに手を当てながら寒さを凌いだ事を思い出すが、今回はトイレ付きの立派な部屋だ。

そう言えばルクラで一緒だったパッサンが居ないことに気づく。ダワさんに聞くと我々のテント関連の荷物がフライトの都合で遅くなってしまったそうだ。そのためにパッサンは荷物の到着を待って、2人のポーターと来ることになっているそうだ。テラスルームでチャイを飲んでいたら急ぎ足で登ってきたパッサン達が到着。これでテント生活にも支障がない、万全の体制になった。7時半頃まで食堂で団欒を楽しんで身体も温まったので部屋に戻る。雲が厚く明日の天候が心配だが、雲の切れ間から遠くの灯りが見えてきたので快方に向かう兆しと期待した。9時過ぎまで同僚との雑談が続いたが、明日の6時起床に備えて就寝。


nice!(0)  コメント(1)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 1

マンゴー

残念ながら、私の世界地図は細かく地名が乗ってないので
今どの辺りなのかは解らないですが、私も想像の旅を楽しんでます。
『崖に激突するようにして坂道になった滑走路に着陸』のところなんか
なかなかできない体験ですね。
ミルクティーのところは、かなり笑えました。“えっそうなの!!”って思わず
つっこんでしまいました。(大阪人なので・・・)
by マンゴー (2006-03-26 23:24) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。