SSブログ

⑦ヒマラヤトレッキング ランタン谷とコサインクンド   [ヒマラヤ・ランタンリルン]

12月1日(月)
キャンジンゴンパからラマホテル(高度差-1,460m)

6時半朝ご飯をしてロッジを出て展望テラスに向かう。荷物は簡単な防寒具とカメラ、ビデオなど。オルンは”ズル”と言うことではないだろうけどお休み、ラスクマールが重い荷物を背負ってくれる。彼はいいガイドだ。重い荷物でも遅れることなく文句も言わない。それに比べてオルンは最近ガイドの資格をガーレ(ツーリストのボス)から貰った事もあるのだろう、心の中ではいまさらポーターなんか、と言う気持ちがあるようだし、そもそもポ-ターとしては非力だ。前回のエベレストの時でも身勝手な動きが多くてペースがなかなか合わなかった。今回はそれが一層顕著だ。

4人で左手にあるゴンバを目ざし、直ぐに右手に道を探しながら高度を稼ぐ。道と言ってもヤクの踏み固めた跡が有るだけで、どこが道と言うより適当に真上にあるタルチョを目ざして高度を上げていく。さすがに空気が薄い。息が上がる。太陽が上がってきたので日差しが暖かいが気温は氷点下。指先が冷えて痛い。ジグザグでピークを目指す。丁度ランタンリルンの前にはだかるピークを登っているのでランタンは目に入らない。村の景色がだんだん小さくなり、鳥瞰出来るようになってくる。1時間半はかかったかピークに着く。相棒はますますマイペースで動く傾向が強くなっている。今回も離れて自分のペースで歩く。高山病にならないため、と言っているが、山での歩き方としては感心できないことだ。

ピークでは360°の展望が出来て素晴らしい。一番右手にヤラピーク(5,500m)その左手にランタンリルン、そしてブリッジになってランタンⅡに繋がる。そこには氷河が二本落ち込んでいる。

右手がキムシュン氷河、左手にリルン氷河。氷河特有の青みがかった色、アイスフォールが波打っている。






このピークの先にキャンジン・リのピークが続く。4,773mの高さだが、登りは一寸きつい割には景色はこことさして変わらないそうだ。右手には広い河原に雪が覆っている。ヘリポートがあるそうだ。その右手に目を移すとガンジャ・ラ経由でカトマンドゥまで通じる5日間のルートがあるが、冬季は危険でしかも途中には宿泊する場所もないので食料、テントなど重装備が必要なルートだ。そして更に右手に振れば歩いてきたランタンまでのルートが続いている。

ランタンの山々から水を集めて轟々とランタンコーラが畝っている。サンタがポットに入れてきてくれたコーヒーをすする。身体が温まる。嬉しい配慮だ。写真を撮りまくり1時間ほど休んだだろうか。風が通り体感温度は非常に寒く感じる。タルチョが翩翻と翻って音を立てている。
キャンジンゴンパへ1時間ほどで下りる。9時早速朝ご飯だ。お茶漬けにゆで卵、そして茹でたじゃがいも。タングシャップで食べた味を想像しながら口にしたがあの時の興奮がない。確かに芋の色が普通になったし、水っぽい。期待はずれであったが他に食べるものもないし我慢。昨日買ったチーズをチベタンパンにのせて食べる。これは上等だ。1時間かけてゆっくり食事を済ませると荷物を整理して下山の準備。今日は2日がかりで登った所を一気に下山することになる。10時に出発。のんびりした下りだ。

ランタンの村に入り泊まったロッジで食事をする。1時で日差しもしっかりあるのだが、外での食事はさすがに寒い。1時間以上のんびりしただろうか、2時半に出発。下りはどうしても徐々に谷間に入っていくので日差しが早く落ちていく。4時も過ぎるとただでさえ陽が落ちて暗くなるうえ、樹林帯に入るので暗さは一層だ。道は確かだし、ガイドがいるので不安はないが、仮に一人でこのような状態になれば不安と恐怖が襲ってきたことだろう。鬱蒼とした樹林の中をひたすら足を運ぶ。漸くラマホテルに着いたのは5時40分だった。前回泊まったロッジに入る。好きな部屋をと言われたので奥の部屋を取る。実は前回泊まったときには夜中に鼠との格闘が始まってえらい迷惑を受けた事を思い出し、せめて別の部屋を選ぶ。だから問題が解決するとは思えなかったが。早速食堂で暖を取る。食堂には既に大勢の客人だろう、5人の男がくつろいでいた。前回とは違った賑やかさだ。
ここのご主人は本当に気持ちの良い親父さんだ。往路でここに泊まったときに買い求めた懐電の電池があっという間に消耗して使い物にならなくなり、改めて買わざるを得なくなったとクレーム気味に言うと、予想に反してタダで新しいのと交換してくれた。ご主人からみればこの仕入れコストは転嫁できないのに損を覚悟の上で交換に応じてくれた。損得を無視した善意に感動した。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。