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アッパードルパ(ドルポ)トレッキング 17ポクスンド湖へ・そのⅠ [秘境アッパードルパのトレッキング]

8月15日(木)

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ラクパさんから昨夕聞いた馬が用意された。あれぇ、昨日まで乗った馬ではないかと問いただす。その経緯は複雑だ。昨日までの馬子は来たトレイルを帰ると言っていたので別の馬の手配をしていた。ところがどうした風の吹き回しか、それは私だけが理解していないのかもしれないが、結果的にはご親切にもパスまでお供してあげますという事になった。どうであれありがたい話。
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昨晩の雨で足下はぬかるんでいるが、雨が上がったので昨日断念したコーラの上流にあるツァックハン・ゴンパに無理を言って往復してもらう。幕営地から河原に降りて馬に乗る。コーラ左手にある細いトレイルを登る。どんどん高度を上げていく。河原との距離がぐんぐん離れて数百メートルにはなっただろうか。ただでさえ高度感があるのにさらに馬上なので迫力満点だ。
渓谷も深く切り立った岩壁を洗う白濁した水が美しい。人に汚されていない深山幽谷の美しさは比類ない。とても写真の2次元では表現できそうもないが、撮りまくる。
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左手から崖は迫り、切り立ったトレイルに緊張が走る。自分の足なら対応できる自信はあるが、なにせ馬に命を預けている。眼前のリッジにチョルテンが立っている。左に大きく回りトラバースをすると谷越えの前方に辛うじてゴンパの姿を確認出来た。
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   (正面にゴンパがある)
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この先はさらにトレイルの状況が悪く、また今日の予定を考えるとゆっくりも出来ないのでここで戻ることにする。それにしても辿り着くだけでも大変な場所によくもゴンパを建てたものだと感嘆した。

このゴンパはラマが常駐してしていない。シェーゴンパからここを担当するラマが決められた時間に往復して守っているらしい。

帰路は歩いて7時40分シェーゴンパに戻る。
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いよいよポクスンドに向けての第一歩が始まる。昨日来たコーラに合流している右手から流れ込んでいるコーラに沿って登る。カングラ・パス(5360M)を目指す。1200Mの高度差がある。しばらくは広い河原に沿って緩やかな登りが続く。正面には赤い岩肌の山がそびえている。8時30分には両側に山が迫り、渓谷も狭くなってきた。
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左手からのコーラとの出合いになっている。我々は右手のコ-ラに沿って上流を目指す。この先、目指すトレイルから外れて右手にトレイルを進むと今朝訪れたゴンパを経由してシェーゴンパに戻る3日間で一周する巡礼のコースがあって、それは宗教上の修行ルートになっている。この一帯は神聖なエリアで、日本で言えば熊野古道とか大峰山の修験コースになるのだろう。そのコースからは天気さえよければカイラスが望めるらしい。
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コーラは左手岩壁に沿って音を立てて水しぶきを上げて流れている。トレイルは左岸の河原に続く。狭い渓谷を進むとだんだん傾斜も緩くなり、河原も広くなっていく。前方に滝が見える。
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9時40分滝の右手を登る。その先でコーラは左に折れ曲がっている。トレイルもそれに沿って左手に向かう。高度を上げていく。ところが鞍が緩んだのかバランスの維持に苦労する。そのうちに完全に緩んで落馬しそうになったが辛うじてあぶみから足を外して降りることが出来た。
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ラクパさんが鞍をしっかり固定してくれて10時20分先に進む。ドルチさんはトレイルを外して最短距離を進んでいく。天気は雨交じりとなってきた。

10時30分コーラからは完全に水が消えて伏流水になった。ガレ場はまるで賽の河原のようだ。右手に大きな急斜面が視界に入る。その上に見える稜線がカングラ・パス(5360M)だ。それにしてもここからの急登は迫力だ。
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ドルチさんは強者らしく、トレイルとは全く関係ない道なき道を直登している。すごい馬力だ。他方、ラクパさんは体調が悪く、喘ぎ喘ぎ遅れ気味になってきた。馬上の私も落馬しないように必死にしがみつく。足場も泥炭状のずるずるの足場となる。馬も何度か足場を失って立ち止まる。九十九折で高度を稼ぐ。

パスまでもうしばらくというところでドルチさんが近づいてきて、この先は馬上は危険なので歩きましょうと言うことになった。とは言っても降りるのにも往生する環境だ。馬子は馬が動かないようしっかり轡を引き寄せ、ダワさん、ドルチさんが私の体を支えてくれてようやくの思いで降りる。ここでお世話になった馬と馬子にお別れだ。ダンネバ(ネパール語で有り難う)と声をかけて別れを告げる。
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ぬかるみに足場をしばしば失いながら最後の急登を登る。11時20分パスに着く。霧が掛かり周囲を見回しても視界は不良だったが、薄日も漏れてきた。振り返って見ると左手にポカリ(湖)が見えた。たしかそちら方面から上がって来たはずなのだが、全く気がつかなかった。
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ここで携帯食のランチだ。ドルチさんの作ってくれた醤油味をつけてのりが巻かれているおにぎりだ。そしてダワさんから差し出されたテルモスに入ったホットティーを飲み干す。ラクパさんの消耗ぶりを見るとこのパスまで馬を使った甲斐があったという思いに耽る。
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立ち食いだったのですぐに出発する。ふたたび霧が掛かり前方が視界不良だ。登りに違わず下りも急だ。細かい砂状のトレイルは富士山の須走下りのような様相だ。滑らせながら足を進める。
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左手遠くから人の声がする。誰かといぶかったが我々の仲間キッチンボーイとポーターだ。霧が薄くなり彼らが左手を下っているのが視界に入った。ダワさんが大声で右手にトレイルをとるよう指示する。

一気呵成の下りで12時に小休止。食べ残したおにぎりとゆで卵をを食べる。さらにダワさんからゆで卵の差し入れ。遠慮なく頂戴する。食欲は復調し元気を取り戻せそうだ。
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12時40分に今日の幕営地に着く。右手を流れるコーラに沿って下ってきたが、左手からのコーラとの出合いの上部に設営だ。左手からのコーラが水場を提供してくれて絶好のキャンプ地になっている。
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一時は日差しも強く暑くなったので、洗濯をしたり、体を拭いて長いトレッキングの垢を落としたりする。ロープを張って洗濯物を干す。ところが俄に天候が悪化し曇りから雨になる。慌てて洗濯物を取り込んでテント内に紐を張って干さざるを得なくなる。
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明日はいよいよポクスンド湖(3600M)を目指す。
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