2014.12.17 サノポカリへ


雪山での水補給は意外と大変だ。目の前に雪があるのだからそれを溶かせばいいのだが、言うまでもなく必要量の水を確保するためには大量の雪が必要になる。我々のような大所帯だとそんなことでは間に合わない。その答えが氷探しだ。氷なら一気に水の確保が可能になる。

ポーターは雪に隠されたコーラの氷を求めて遠くまで出かける。その氷を背負って持ち帰り砕いて鍋に入れて火にあぶる。これはポーターにとっての一仕事だ。

今朝は久しぶりに快晴で、強い日射しが肌に突き刺さる。風もないので体感温度は快適だ。

先を急ごう。と言うことで7時45分には出発する。昨晩降った新雪も重なり深い雪にガイドはルート作りに難渋する。しかもケケ・ラ(4170m)までは急登になる。周囲の様相も樹林帯から低草木エリアになったのだろう。一面雪に覆われている。



鞍部を越えて下っていくとカロ・ポカリだ。10時半に着く。往路でははっきりとその存在を確認出来たのだが、一面雪に覆われて湖面も結氷してその上に雪が積もっているのでポカリの実感が湧かない。ここで昼飯になる。このポカリを現地人はツロポカリと呼んでいる。








眼前に立ちふさがる稜線の鞍部シェットン・ラを目指して午後のスタートだ。一見フラットな地形もひとたび足を踏み入れると想像も付かない変化が潜んでいる。ガイドがルート開拓するのを見ていて気の毒になる。





しばらくしてポーター達が三々五々そのトレイルに続く。そして最後の最後にドルチさんとサブガイドのヌルブさんが私の前後について追う。雪がなければ何でも無い登りだが、深い雪があるとそうはいかない。何度も休憩を取りながらようやくの思いで鞍部を通過する。鞍部を通過してからが急降下が始まる。ほとんど滑り落ちる感じになる。幸い深い重い雪なので滑落の心配は無い。ここはしばしば強風の通り道になり、天候が悪い時に何人もの人が亡くなっていると聞いていた。今日は無風快晴だからその心配はない。

4時にサヌポカリに着き、テントを張る。もともと小さなポカリなので雪の中に埋没してしまっている。