未だスタートしたばかりなのに初期研修の義務化に反旗を翻した大学病院長会議の決議は何を意味するのか。大学医局に医学生が残らない、けしからんと聞こえて仕方がない。確かに大学に医学生が残らない結果として地域医療が崩壊し始め深刻な問題を惹起しているのは分かるが、その問題と研修の義務化を同じ土俵で議論するのは乱暴だ。
大学に医学生が残らない理由があるはず。そこにメスを入れることが本来の答えではないだろうか。大学の医局に入る魅力が何か、従来は人事であり学位であったかもしれないが、今の医学生は魅力ある教育カリキュラムを求めている。それが実現しなければ大学に強制的に縛り付けることが出来ても結局は患者が被害者になるだけだ。その点が理解されないとますます大学の存在意義を失って行く。将来の日本の医療水準を引き上げる責務を負っている大学がそこに気がつかない
ようでは心配だ。