2016年11月22日(火) ラルキャ・ラを越えてビンタンに。
ラルキャ・ラ(5135M)越えは今回のトレッキングの大山だ。陽が上がると避けられない強風を避けるためと長い行程にもなるので暗闇の中を4時には出発する。このキャンプ地ではトレッカーのほとんどがラルキャ・ラ越えのために泊まるのでこんなにいたのかと言うほどのトレッカーがライトを付けて登っていた。肌を刺す寒さで厚手のグローブでも指先に痛みが走る。幸い急登はないので助かる。
まだ暗闇の世界。ぼちぼち東の空が白みはじめてようやく周囲の状況が確認できるようになる。
6時ごろだろう、右手後ろを振り返るとポカリが光を受けて鏡のように輝いていた。
7時には避難小屋でテルモスから暖かいコーヒーを用意してくれたのを一息で飲み干す。身体の芯が一気に暖まる感じだ。寒さは予想したほどではないのにホットした。
左手には氷河があってそのモレーンの上を我々は歩いている。傾斜が緩やかなので標高の高さによる障害もブレーキにはならなかった。
ラルキャ・ラ越えのシーンをネットやガイドブックで見ると雪の積もったシーンが多いのだが、幸いというか残念というかそのような場面には出くわさなかった。
パスの手前にもポカリが2つあって当然結氷していた。
ラルキャ・ラが視界に入りもうすぐだ。
9時ラルキャ・ラに着く。すでに強風が吹きまくり気を抜くと飛ばされそうになる。ヒマラヤの5000M超のパスではどこでも同じ状況になる。体感温度は当然寒く、一刻も早く立ち去りたい気分だが、同時にこの瞬間をじっくり味わいたい気持ちとの葛藤だ。
9時40分立ち去りがたいパスから下りに移る。しばらくはなだらかな下りだ。だんだんとザレ場になり傾斜もきつくなって足下を奪われてスリップの連続になる。
アンナプルナⅡが左手前方に見える。
右手にラルキャ氷河を眼下に見ながら右流れの斜面をトラバースしてどんどん下る。かなりの急降下のトレイルだ。疲れた身体には大いに負担だ。
11時前におにぎりとゆで卵の昼飯。
さらに先に進むとダングボチャ・カルカだ。そこにはバッティーがあってチャを頼む。そのあたりから腰に痛みが走りしっかりした足取りがとれない。何とか痛みを堪えて歩く。これからまだ明日からの先があるので不安が過ぎる。
左前方には西側側面のマナスルが視界に入る。
ビンタンに着く。腰を曲げるのが辛いので今晩はテントを止めてロッジの部屋を準備して貰う。ビンタンには数多くの小綺麗なロッジがある、広い平坦地になっていた。ビンタンのロッジはラルキャ・ラ越えのトレッカーを迎えるには過剰な規模だ。その理由は我々がこれから向かうダラパニからお手軽にマナスルを眺望するショートトレッキングの終着地になっているからだろう。
今日はラルキャ・ラまでが711Mの累積上昇高度累積下降高度95M、ラルキャ・ラからは累積上昇高度73M、累積下降高度1420M。16.5KMの行程だった。