12月8日(月) タドサへ


そろそろ天候の変換点なのか、昨日までのピーカンは終わりそうな気配だ。雲間からの日射しはまだある。マカルーも見える。バルンコーラを右手に見ながら、左から流れ込むいくつもある小さなコーラの流れは氷っている。岩を覆うようにうっすらと氷っている。まるでくず饅頭のように。うっかり気を許すと足を滑らせてしまう。ベテランのダワさんも足下を奪われてバランスを失いそうになっていた。


9時には右手前方にヤングリカルカ(3600m)が視界に入る。数軒の小屋とゴンパがある。稜線越えに小さくマカルーのピークだけが、そしてゲルジェン、その奥にはマカルーからの稜線になるピーク3(6477m)ピーク5(6404M)が連なる。


(ピーク4 6720m)
ここからはバルンコーラを中心にフラットな、まさにカルカ向きの地形になる。夏であれば山羊、ゾッキョ、ヤクが草を食むでいるのだろう。バルンコーラに掛かる二つの橋を渡るとすぐにヤングルカルカだ。誰もいないロッジ、ゴンパも鍵が掛かっていて入れない。9時50分の到着だ。







ヤングリカルカの先で谷は左に向きを変える。その角に左手から突き出している白い岩はアマプジュマ(シェルパ語で妊婦を意味する)だ。その左手のピークの中腹にはまるで人工的に掘ったような3っつの洞穴がある。そこはラマ僧が修行をする神聖な洞穴だ。



じょじょにバルンコーラから離れて右手の急登になる。11時過ぎにアマプジュマの岩の真正面に立つ。トレイルは左手に方向を変えて前進する。前方にはチョムロンが視界に入る。ここでは稜線に隠れてマカルーは見えない。


11時45分タドサ(4017m)に着く。

不気味な縦に走る雲が気になるが、日射しも戻り暖かい。午後はゆっくり休養だ。


右手の岩壁は200M超垂直に立っていて、見事な滝が落ちている。右手の岩稜の右手から奥に回るとここにも冬虫夏草の産地があるらしい。バルンコーラはごうごうと音だけは確認出来るが視界には入らない。コーラに向かって傾斜したなだらかな斜面が続きその一番右上部にあるロッジのそばでテントを張る。

明日はシェルパニ越えに備えてギアのチェック、ユマールとクランポンのテストをする予定だ。